FX用語解説「リスクオン」と「リスクオフ」

リスク回避でリスクオフ

Trade DiplomacyがFX投資家の皆さまに送るトレードに必要な用語です。

 

リスクimage

 

2011年は欧州情勢に世界中の金融資本市場が振り回される年となりました。そこでしばしば登場したのが、「リスクオン」「リスクオフ」という言葉。欧州晴勢に対する懸念が高まり、日本円など比較的安全な資産に投資家の資金を回避する状態を「リスクオフ」、懸念が高まり、日本円など比較的安全な資産に投資ニーズが高まることを「リスクオン」と呼びます。

 

投資における「リスク」はさまざまですが、昨年の欧州危機に際して、特に注目されたのが「信用リスク」や「ソブリンリスク」です。「信用リスク」は債券の発行体が抱える破綻懸念。発行体を国や政府に限定すると[ソブリンリスク]と表現されます。「ソブリンリスク」を高めた欧州国の国債を保有している金融機関が、今度は「信用リスク」を高めるという二重構造で投資家への信用不安を拡大しました。ドミノ倒しのように金融機関が破綻するのではといった懸念から「リスクオフ」が強まりました。

 

日本でも保険会社や投資信託会社といった機関投資家で「リスクオフ」の姿勢が強く見受けられます。列えば、国際投信投資顧問が運用する「グローバル・ソブリン・オープン」では、昨年6月末から半年間でユーロ建て債券の比率が2割低下。資産額で6000億円ほど減らした計算です。生命保険会社式を売却し日本国債の比率を高める傾向が強まっています。

 

表裏一体のリスクとリターン

経済情勢によって強弱する「リスク」。統計学をベースにした証券分析の本ではσ(シグマ)というギリシャ文字の記号で表されます。分散・標準偏差というもので、高校や大学の受験の際に悩まされた偏差値と基本的な考え方は同じです。

 

「Uターン」が平均値の周りにどれだけばらついているかを示しています。aの値が小さければ小さいほど平均に近く、大きければ大きいほど平均から離れた値を取りやすくなります。投資の世界に当てはめてみると、市場平均は、市場で期待される平均的な「リターン」を表し、「リスク」は、平均的な期待リターンから、どれだけ離れているかを表したものとなります。この考え方はボリンジャー・バンドなどのFX初心者向け(http://www.fx55.jp)のテクニカル分析でも応用されています。

 

「リターン」には市場平均に対してプラスとマイナスがあります。プラスの「リターン」は利益ですが、マイナスの「リターン」は損失です。市場平均から離れれば離れるほど、「リスク」は大きくなってしまいます。一方で、平均値に近いほど、「リスク」も「リターン」も小さくなる表裏一体の関係です。「ハイリスク・ハイリターン」「ローリスク・ローリターン」の関係は、FXに限らす、どんな投資対象でも共通です。

 

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歴史を動かす「ハイリスク」

大きな「リターン」を取ろうと思えば、もしかしたら大きな損失を出しかねない「リスク」を時に冒さなければなりません。少人数で大軍を破った織田信長の桶狭間の戦いもそうでしょうし、紀伊国屋文左衛門が江戸まで蜜柑を運び大儲けしたのも、難破するかもしれない嵐の海に漕ぎ出すという「ハイリスク」を取ったからです。

 

漢の高祖・劉邦が天下を取ったのも、最後の場面に強兵で知られた楚の項羽を追撃したからです。二後の詩人・韓愈が「鴻溝を過ぐ」という漢詩」で、「真に一擲を成して乾坤を賭せん」とうたっています。乾は天を、坤は地を表し、「さいころを投げて天が出るか地が出るか、運命を賭けるという意味です。投資とギャンブルは決して同じものではありませんが、「ハイリスク・ハイリターン」の投資行動には、ギャンブルに似た投機性が常に付きまといます。  

円売り介入とFX投資家の逆張り志向

個人投資家は、現在の為替相場をどのようにこらえ、その方向に動くと考えているのだろうか。2011年10月から12月の四半期におけるFX投資を行う投資家の動向を紹介する。

 

外為どっとコム総合研究所が作成する「外為短観」では、毎月行うアンケート調査の結束をもとに、個人FX投資家の相場観を表す予想Dlを公表している。今後1ヵ月の見通しとしてドル高・円安を予想した回答割合から、円高・ドル安を予想した割合を引いた数値がドル円予想Dlであり、Dlがプラスならドル高・円安予想が優勢、マイナスなら円高・ドル安予想が優勢ということになる。2011年のドル円相場のキーワードである「戦後最安値」と「円売り介入」に予想DIを絡めて10−12月を振り返ってみたい。

 

円売り介入直後にドル安を予想した投資家

 

10月調査のドル円予想DIは15.3%ポイントとややドル高・円安予想優勢となった。ドル円相場は、調査期間中の10月21日には当時の「戦後最安値」となる75.79円まで下落する場面もあったが、相場が歴史的な水準にまで下落した値ごろ感や、本邦要人による□先介入を受けて「円売り介入」への期待が高まったことが、一部のFX投資家の逆張り志向を刺激したものと思われる。

 

その後、相場は断続的に「戦後最安値」を更新し、10月31日の早朝には5.32円まで下落した。このタイミングで本邦通貨当局は、2011年で3回目となる「円売り介入」を発動。相場は79.53円まで急騰することになったが、直後の11月調査では、予想DIは▲34.0ポイントと週去最大のマイナス帽を記録して、円高・ドル安予想に大きく反転した。この問のFX投資家による実際の売買動向もこうした予想に沿ったものとなっている。

 

ドル円相場の底堅さから予想DIは円安方向に転換

 

外為どっとコムがHPで公表している顧客のドル円のポジション比率によると、介入前営業日の10月28日時点ではロングポジションが97.6%を占め、過去に例がないほど買い持ちに傾いていた。ところが、介入が実施された31日には、買い持ち比率が77.9%に急低下し、さらに翌11月1日には74.9%にまで低下。一方の売り持ち比率は10月28日の2.4%から25.1%に急拡大した。

 

10月後半に相場が断続的に「戦後最安値」を更新する過程でドル買い・円売りポジションを膨らませた投資家は「円売り介入」を円買い・ドル売りの好機と捉え、介入直後から利益確定に動いたことになる。そればかりか、一部のFX投資家は、介入後に逆張り志向を強め、円買い・ドル売りポジションを新たに構築した可能性もある。3月と8月に行われた「円売り介入」の効果が長続きせす、その後も断続的に「戦後最安値」を更新したことが、10月の「円売り介入」でも円高・ドル安トレントを変えられないとの読みにつなかったようだ。

 

ただ、その後の相場は「戦後最安値」を割り込むことなく、一時78円台を回復するなど小動きながらも底堅く推移しており、12月調査の予想DIは+12.2ポイントと再びドル高一円安予想に転換している。一部のFX投資家は「円売り介入」なしで堅調に推移する相場を、ドル高・円安方向への転換サインと捉え始めているのかもしれない。

 

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